今日は、DSAのオープンフォーラム。久しぶりに、オンラインのないリアルだけにしたこともあって138名もの方に参加いただいた。予定より人数が多くなったので、急遽椅子を増やしたりしたけど、ちょっと密な状態になってしまった。
今回のメインのトピックスは、DATA-EX プラットフォームのお披露目で、実際に動いてるとこを見てもらうことで、理解が進んだという声を沢山いただけたのがありがたい。
デモの前に、少しDATA-EXの概要とかコンセプトの説明をしたのだけど、その大きな訴求ポイントに、自律分散協調というものがある。これは、The Internetで言及される自律分散協調システムとかEnd to End原理に近いものを僕は感じている。
The Internetの前のPSTNでは、通信はインカンバントキャリアがいて、端末も電話番号も、キャリア様からお借りするものだった。そして、通信も各端末から電話局に接続し、そこから他の端末に接続(交換)してもらうものだった。
これが、The Internetの登場により、自律分散協調による通信に大きなパラダイムシフトが起こり、まさにゲームチェンジになって、どんどん新しいサービスが生まれてきたわけだ。
ところが、今は確かに通信はThe Internetの自律分散協調なんだけど、そのトラフィックの90%以上は、OTT(Over The Top)と言われるプラットフォーマーのサービスの上で行われているわけで、集中型階層モデルだ。このため、Google/Y!の独禁法問題なんてのも起こっているし、データなんて特定の巨大プラットフォーマーに集中的に集められている。
これに対し、欧州ではデータ主権という言葉を掲げ、データスペースに参加する参加者が主権を持つという自律分散協調のコンセプトを打ち出してきたわけで、DATA-EXもこのコンセプトと協調している。
巨大プラットフォーマーに対抗するのに、新しいクローズドなプラットフォーマーを作らせて、それに公的な権威づけをしてという考えとは、正反対のアプローチなんだけど、この類の過度に行政が介入した産業は、御多分に洩れず消えていくのが常なので、なるべくそんなことしないでねと願っている。
実はライフワークでもある無線通信についても、僕は自営通信に拘りがあってのめり込んだし、データ連携もこの辺りの思想が取り組みのモチベーションなんだよなということを再認識した。
ちょうど、2003年に公開された"踊る大捜査戦 THE MOVIE 2”では、ヒエラルキーのある集中型組織と自律分散協調型組織の対峙が描かれていて、そこに出てくる絵は、ちょうど無線ルータの講演の時に使っていた絵と同じだったりする。映画では、結局のところ良いリーダーがいる集中型組織が勝っちゃうんだけどね。
今日は、懇親会があったので夜の特急で甲府に戻って、駅近くでラーメンを食べてから城のホテルに投宿。