とにかく、暑い。
毎日が、体の内側まで火照るような暑さだ。
でも、じっとしていると、もっと苦しくなるから。
今日も朝から、サニーフィールドへ向かった。
Aliceと馬場で一鞍。
昨日とちがって、今日はなんだか気が乗らないみたいなAlice。
でも、十歳を越えてもどこか少女みたいな顔で、20分くらいなら、と私に付き合ってくれる。
その感じが、なんだか嬉しい。
ふたりで流す汗が、言葉にならない何かを少しずつ洗い流していく。
騎乗のあとはシャワー。
体にふれる水が、目には見えない日々の疲れを連れていくような気がする。
Aliceはというと、最近はもう覚えていて、馬場の下の青草をむしゃむしゃ。
もぐもぐ……もぐもぐ……
見ていると、ただそれだけで、胸がいっぱいになる。
あの音が、世界でいちばん優しい音に思えてしまう。
私もお腹が空いて、お弁当のサンドイッチを食べる。
風が、すこし吹いた。
午後の騎乗はやめて、そのまま帰ることにした。
家で少し眠ってから、中庭の草刈り。
レンガの隙間に、こっそり、でもしぶとく生きている草たち。
ナイロンの刈払機で、ひとつひとつ、静かに戦う。
草を刈っていると、自分の中のなにかも整理されていくようで、
でも同時に「こんなにやっても、まだ終わらないんだな」とも思う。
何度、草を刈ったら、心は軽くなるんだろう。
夕方、温泉に行った。
お湯にゆっくりつかって、今日の汗と、どうしようもない心の澱を流す。
帰って、テレビで千秋楽の中継を見た。
遠い国から来た若い力士も、年齢を重ねたベテランの力士も、
あの小さな土俵の上に、世界のいろんな時間や重さを背負って立っている。
とてもドメスティックなものの中に、広い世界を感じる。
Aliceも、遠く北海道から来て、もう八年か……
そんなことを、ふと思った。
夜は、前から気になっていたドラマを続けて見た。
早く寝ようと思っていたのに、
気づいたら、夜が深くなっていて、窓の外の空気が少し冷えていた。
今日は、吉本ばなな風リライトでした。