今日は、在宅だったのだけど、ひたすらIEEE SA(Standard Association)のNesCom(NewStandard Committee)の、事前審査。NesComは、IEEEで何からの国際標準を策定したい者が提出した、PAR(Project Authorization Request)文章を審議し、SASB(Standard Association Standard Board)として承認すべきかどうかを審議する委員会。
基本的に、年に7回ほど開催されるのだが、次の9月はリモート。この会議の前に、オープンレビューと言って専用のグループウェアを使って、提案者への質疑と、事前の投票を行う。
9月はリモートだから簡単と思う人がいるのか、今回は審議対象のPARがなんと174件もある。対象は、僕の専門としてている無線LANとかデータ連携だけではなくて、エネルギー、強電、情報倫理、セキュリティ、AIとなんでもある。
当然ながら、個々の内容の詳細までは判断できる知識がないので、その申請の範囲や、文言や、文章の記載方法などをチェックするのだけど、これだけあると、もう何が何だかである。
それにしても、圧倒的に隣の大国からの提案が多い。ここ数日、日本では、国際標準化が安全保障の視点から大事だとか、海外の標準認証機関への投資を加速するというニュースがあるけど、どうも今ひつと基本的なとこを勘違いしていないかと不安になる。
国際標準化というのは、標準仕様を設計作成するSDO(Standards Development Organization) とその標準に製品やサービスが合致しているかを認証し、保証するCB(Certification Body)がある。社会実装され普及している国際標準は、このSDOとCBが連携としながらも独立したガバナンスが整っていることが成功要因だ。
日本では、いまだにフォーラムとデジュールなんていう分類用語使ったり、さらにデファクトとの区別がついてなかったりと、かなり世界とズレている。
でっ、設計から関与しないで、認証だけ傾注しても、なんの国際競争力強化にはならないんだけど、この辺りってわかってるんですかと、小一時間言いたい私。