IEEE802.11では、基本的に投票権者の75%の賛成を得ないと、標準化が進まない。 これは、face to faceな会議もそうだが、ドラフトの承認などは、書面投票を行なうことになっていて、こちらでも適用される。 いまは、電子投票なので、基本的にはYesをクリックするか、コメントを入れNoをクリックするかなのだが、中身を見ずにYesを投票する人がかなりを占めるのが実態だ。
今週のチェアアドバイザリーコミッティで、あるチェアから最近のドラフトの書面投票に対して、こういう傾向から果たして十分なレビューがされたと言えるかという指摘がされ、新たな議論が始った。
明確な投票ルールがあると、合意形成をしなくても、集票をすれば自分たちの意見が通せてしまうが、やはりそれは長期的に正しい結果を生まないということだ。
こういう課題を指摘し、それについて皆で議論するという点が、この標準化団体のフェアネスの基本であり、十分な議論、レビューを堂々と行えば、投票結果で何かを決するということは、かなり少なくなるはずだ。 逆に、露骨な集票行為は、結局のところ歪みを生じて、嫌われるだけだということを、この半年でよく学んだけど、この辺りの感覚がアジアからの参加者が十分に理解するには、まだ時間がかかるかもしれない。