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2010-11-30 ワイングラスの話

_ [MISC] ワイングラスの話

  日曜日の午後に楽しんだワイングラスの話に興味のある方がいるので、端折らず、ソムリエさんが私たちにしてくれた実験を以下にちょっと説明します。

 実験1:ワイングラスの縦と横

最初に、テーブルに横に置いたブルゴーニュグラスに、ボトルからゆっくりと注ぐ。 この注がれた状態を上からみると、ワインは当然真円ではなく、涙目のようになります、またこの状態はボトルに入ってる状況からの変化はほとんどありません。 a)そこでこのまま、グラスを立てずにワインを飲みます。 b)次に、今度はグラスを立てて(普通に)ワインを飲みます。 あら不思議、a)とb)で確かに味が違うんです。 ここで、b)は結局飲む度にグラスが横になるのだから、飲む時の縦か横の差でなく、一度グラスに入れたワイン(縦)の状態b)にすると、そこで味か変化して、そのまま維持されるということだそうです。

 実験2:グラスの違い

同じワインを、普通に大きさの違うボルドーグラス c)、d)に注いで比較すると、これまた不思議と味わいが異なります。

 実験1:2からの推論

実験1と2から、ソムリエさん曰く、結局ワインはグラスに注いだ時に、そのグラスにより性格付けがされて、それ以降はそれが維持されるということだそうです。

 実験3:オールマイティー・グラス“樹"

さて、次にこのお店のオーナー考案のオールマイティー・グラス“樹"が登場。 これは、手作りでワイングラスを扁平にした複雑な形状をしています。 このグラスと実験2のボルドーグラスでは、これまた味わいが異なります。 これって、結局ワインの空気に触れている表面積の違いじゃないの? と私は思ったのですが..... 今度は、この変形したワイングラスの飲み口の方向をかえて飲んでみます。 すると、これまた飲み口の方向で味が違います。 これは、同じグラス=同じ表面積でも味が異なることになります。 

ソムリエさんの説明によると、変形したグラスは、飲み口の方向により口に流入する流体の幅が違います。 そこで流体速度が速くなる細口の方向で飲んだ時のほうが、ワインがより舌の奥の部分に届くので、刺激される味覚が異なるそうです。 舌は、感じる味覚が場所によって違うのは、良く知られています。

 普通のグラスは真円ですから、飲む方向で流体速度は変わらないわけで、一度性格づけられたワインで、同じ味覚が刺激されるという点でも、よりワインによる性格づけが鮮明になるということのようです。

 さてさて、この理論が正しいのかどうかは別として、確かに上記の実験でワインの味わいは異なりました。


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