今回のIEEE802 Wireless Interimでは、WNG-SC(Wireless Next Generation Standing Committee)で少し面白い話しがあった。このWNGは、標準化をするかどうか以前の話題を提案し、議論する場所で、いわば新しいネタの持ち込み場所だ。ここでのプレゼンをしながら、参加者の意見や反応みて、ある程度のコンセンサスが形成されたら、オフィシャルなグループが組成されることになる。最近は、TIG(Topic Interest Group)というグループを組成して集中的な討議したあとに、SG(Studyg Group)という標準化活動の開始申請の文章PAR(Project Authorisation Request)を策定する活動へと移行すル事が多い。SGの設置には、802全体のEC(Exective Committee)の承認もいるし、その設置期間も原則6ヶ月と規定されているので、その前段階で掘り下げるのがTIGとなる。
TIGにしたところで、一定の参加者のコンセンサスを得て、802.11WG(Working Group)の承認を得る必要がある。そんなわけで、クリーンスレートから提案する場合には、まずはこのWNGでなんどかプレゼンを繰り替えすことになる。実際に、僕らが802.11aiの提案をした時には、WNGでコンセンサスを得るまでに、本当になんども発表とディスカッションを繰り返した。
そんなWNGでの発表で、今日はWireless Sensing関連の発表が続いた。これは、センサーを無線ネットワークで接続するという話しではない。ではなにかというと、無線LANの電波を使って、部屋の中の人の動きなどを検出しようというものだ。まぁ、基本的にはレーダーな話しな訳で、ここ数年は学術系からこの類の発表はいくつかあって、一部は話題にもなっている。
基本的には、レーダーなどは、自分の発信した電波の反射波から対象物までの距離や大きさを測るのだが、それを無線LANの電波でやろうというわけだ。セキュリティシステムとして使うことも可能だし、パソコンの前にユーザーがいるかを検出したりとかも出来るだろう。たまたま、別な研究でもレーダー系な話しもあるので、少し興味があるものだ。もう、こうなるとWLANといっても、圧倒的にコミュニケーションという世界じゃないけど、IEEE802.11というコミュニティは、ひたすら拡大していくんだろうか...
なにはともあれ、SEN TIGは、予定通り設置承認されたので、しばらくフォローしよう。
予定通りクロージンクもおわり、昼に空港に移動して、羽田便で帰国。羽田にはいささか早着しものの、結局家についた時には、日付は変わっていた。