昨夜、上海の地下鉄10号線での電車衝突事故のニュースが入って来た。 上海地下鉄では、ちょうど三年くらい前に車両内の情報提供システムや監視カメラの接続のために、僕らの無線LANシステムの提案を行い、工事中の八号線のトンネルなどで実験をしたので、いささか縁が有る。
今回の事故のトリガーとなったのは、信号系でシグナリングシステムというやつで、僕らの関わっていた監視系や乗客向け情報サービス系とは別だけれど、きっと地鉄公司の知り合いの数人は、今度の事故について何らかの責任をもつものだろう。
僕らは、香港の地下鉄公司向けに、香港ディズニーランド線の車内の常時監視を行なうため、列車と駅事務所の間を無線LANで接続するシステムを導入し、その後空港内の移動電車にも導入し、幸いに無事故で長年利用していたただいている。 この一連の仕事の最初に、香港地下鉄の九龍と香港の間のトンネルで、深夜に試験などを再々したのだけど、とにかく驚いたのは信号系に2.4GHzのFHを使ってたことだ。 結局、僕らの監視系はこれとの干渉を配慮して5GHz帯に変更となったのだが、もともと信号系のようなものにISMバンドを使う事が、まったく信じられなかった事を思い出した。
その後の中国の実験でも同様に、信号系が2.4GHzISMを使うというので、関係者にはその危険性等を説明したりしたけれど、彼らはそれに耳を貸すことはなかった。 こういう問題は、機器やシステムを納入するベンダーの責任もとても大きいではないだろうか? 安心、安全というお題目を掲げて、悪戯に電波資源を寡占するのも問題だけど、安いから、普及しているからということで、なんでもかんでも無線LANというのは、もっと問題だろう。