今日の夜は、ICPF×アゴラ緊急シンポジウム「電波改革で訪れるビジネスチャンス」というシンポジウムに出席。
この類の電波の割り当てに関わる議論は、15年くらいい前に今日の主催者らとしたのだが、今日僕が話したことは、当時の主張とまったく変わっていない。結局のところ、利用実態を把握し、利用状況が低かったり、時代の流れでニーズが減っていたりするところは、新しいニーズに割り当てをしようとい流れは、まったく変わらない。そして、このことは総務省は、そういう流れをつくり、それなりに行なっているわけだ。
新聞とかではオークションなんていう言葉が踊っているけど、オークションかどうかは、割当時の話で、それ以前の利用状況などを定量的に評価することが重要だ。ちょうど、僕が日経エレクトロニクスに、こんな話の記事を書いたのは、なんと2003年だった。
そして、僕がずっと主張してるのは、スペクトラムと用途の分離であり、技術中立性の話だ。従来は、とにかく用途と技術と周波数が垂直統合されて割り当てられてきたのだが、いまのディジタルパケット通信では、こういう垂直統合である必要はない。
でも、今日の議論でも感じたのは、やはり電波について、圧倒的に技術屋の質と量が低下していて、こういう根本的なところで、技術に立脚した議論ができる人が少ないことだろう。
いたずらに素人が聞きかじりで、特定の通信方式の名称とか、伝搬特性の概念を振りかざすのは、かなり危険だなと思うことも多い。この辺り、世の中の工学者は、もっと大局的な視点で電波資源のあり方について、意見を表明する人がでてきて欲しいものだ。