参加しているIEEE SASBの2日目。今日は午前中にAudComがあり、午後は僕が投票権を有するRevCom(Review Committee)。このRevComは、新しく出来上がった標準仕様書を最終的に承認するかを議論する。こちらも、前回はIEEE3800が議案に入っていたけど、今回はピュアに他のWGの成果の議論だ。
SASBのメンバになると、年に四回の会議の他に、途中でも数回のRevComやNesComという個別会議がリモートである。そして、それぞれに相当数の案件が審議される。今は、グループウェア上で、事前に審議が行われ、特段の意見の相違がないものは、本会議ではまとめて採決される。
通常は、事前にグループウェア上で提出者に対してコメントをして、それに対する回答を得て、承認となることもある。この委員会は、全ての規格をみるので、委員が個別の規格の分野の専門家ではない。このため、審議として見るのは、ここに上程されまでのプロセスが適切に実施されていたかなどの手順の話が一つ。あとは、知的財産や他を参照しているときの著作権などが、得てして議論になる。
今日も、ある規格書では、他の団体の文章がApendixに付されていたけど、そこにあるSEP(Standard Essential Patent)の扱いが論点になった。また、IEEEの規格書は、厳密なStyleガイドがあり、特にshall/should/mayの扱いは厳密だ。ところがある企画書の中で、”must”が使われており、これを修正することを条件にするかが論点になった。
といっても、この場合にはRevCom自体が規格書の技術的内容を変更する権限はないので、この修正がEditrialなのかという点が重要な論点だ。というわけで、この議論がそれなり時間を要して、途中休憩もとって、いつもより長丁場になってしまった。まぁ、なとんか32件の議案が最終的なSASBへ推挙されることで合意したけど、果たして明日のSASBでどうなることやらだ。
ところで、こういう審議もピュアレビューなどは、アカデミアの人にとっては査読みたいなものなので、それ自体は馴染みがあるかもしれない。しかし、一連のコメントと回答をグループウェアでして、投票も出来るのがありがたい。欧州のホライゾンとかも、評価チームにはグループウェアが与えられるけど、日本はせいぜいファイル共有止まりなのだから、DXには程遠いかな。