IoTの一つの利活用分野として、医療やヘルスケアは、とても大きく期待されている。その中でも、PHR(Personal Health Record)と言われる、体組成計や万歩計など、個人が自由に保有して利活用する健康機器などは、今やネットワークに接続されるのが当然のようになっている。
一方、カルテデータや病院内における治療機器などのデータなどは、どうしてもクローズ世界になる。この類の話で、いつも思うのは、カルテは誰かのものか問題だ。
カルテには、患者個人の病状などのバイタルデータとともに、それに対する治療行為の履歴が記録される。バイタルデータなどは、患者がオーナーシップをもつが、医療行為は医師固有の知見であり、ナレッジだ。
このため、カルテ情報の取り扱いには、患者と医師の合意が必要だろうと思うのだが、このあたりがなかなかクリアできない。
この解決の一つは、バイタルデーターと医療行為の履歴を分離して管理、利活用することだ。もともと、米国のHYPAなどでは、患者自身に関する個人特定情報とカルテの情報は分離されることが義務付けられているが、さらに医療履歴とバイタルデータを分離することになる。
もう一つの方法は、医師と患者の共有材として、その取り扱いの合意、管理や合意困難な時に調停する仕組みを作ることだろう。
僕的には、前者の制度設計をして、これを拒否する医師は、利己的だという評判モデルができればと思うのだが、それは乱暴だろうか?