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2020-10-11 はんこ問題のNext Step

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  はんこ問題がまたしても燻っている。何でもかんでもハンコが悪いとか言うのは言い過ぎだとか、ハンコは文化だから守れとかいろいろと騒がしい。ゆかりのある山梨県は、印鑑の製造産業がそれなりに多いらしいので、ちょっと人事ではない。ハンコとか捺印とか言っても、その使い方でいくつか大きな違いがあるので、十把一絡げで不要論廃止論を述べれば、それは残念ながら一部に反発を招くし、説得力に欠けるだろう。

  ハンコと言うのは、ハンコそのものと、捺印されたときの印影が一対になっているから、使い方によっては、十分に意味がある場合もある。

  意味のある使い方と言う意味では、あらかじめ印影を登録したり届け出たりしておき、その後のプロセスで印鑑を持っている人が書類や書面に捺印をして提出したときに、その印影と届けられている印影とを照合することにより認証するパターンだ。

  例えば、銀行の届出印などがこれに該当する使い方だろう。昔は、民間の取引でも、あらかじめ領収書に捺印する印鑑を、取引口座の開設や契約の時に届け出ておき、毎月の支払い時に捺印された領収書と届出印の印影を照合するなんてことをしていた。

  このような、相対での使い方だと、なりすましというか誰かが他人の印鑑を作って届け出ていたらどうにもならないので、印鑑登録と言う仕組みで公的に印影とその所有者の関係を証明するのが印鑑証明だ。この辺は、電子的な世界ののサードトラストパーティーによる証明書と同じだ。

  で、僕らの周りでおそらく一番多いハンコの利用シーンと言うのは、こういう届け出をしないパターンではないだろうか。例えば、各種の申請書や社内稟議書等では、あらかじめその印影を登録するなんてことはしていない。

  開発の仕事とかをしていると、回路図や、機構図面等の各種図面に、設計者、製図者、承認者の名前と日付を記載する欄があって、日付印とかデート印といわれるゴム印などを押印していた。

  こういう類のハンコの使い方は、多くの場合署名でも代替えされてたりするが、シャチハタの三文判より署名の方が、偽物が作りづらいのは、古い映画だけど太陽がいっぱいでも証明された話しだ。

  つまるところ、第三者証明のある実印、第三者証明は無いけど登録を要する届出印、一方通行な捺印(三文判?)があるわけだけど、これらのいずれもが、電子的な署名や証明書により代替可能な事は明確だ。そしてペーパーレスになるのであれば、当然ながら電子的な方法にならざるを得ないだろ(印影のスキャンデータを貼るなんてのは無しね)。

  とは言え、大きく何かを変えていくときには、ある程度類型化した形でその効果と影響を整理して、説明と議論をする必要はある。

  なので僕としては、十把一絡げの議論から、もう一歩突っ込んだレベルの議論にそろそろ世間の話が移ってくれないかなぁと期待している。

  ちなみに、天刻は、まったく文化で、僕も中国の友人に、それなりの方に彫ってもらった天刻をプレゼントしてもらい、いまでも大事にしているけど、これはまぁ作品としての魅力みたいなものだ。

  そういえば、遅ればせながらEightで名刺のQRコードを作ってみたんだけど、QRコード印とか、どっかで密かにやってたりしないかな。

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