ここにきて、半導体産業の自給率の悪さから、国内半導体産業への積極的な政策支援をという話が盛り上がってきてる。しかし、なんか漏れ聞こえてくる話しって、かなり勘違いじゃないかと思わさざるを得ない違和感がある。
かつて、日本が半導体産業で優位だった時代は、微細加工、品質管理などでで、生産性の集約的価値が勝負だった。実際、メモリ産業は、それで勝ち残った。
しかし、自動車用半導体の不足などで騒がれてるのは、メモリのような労働集約的なものではない。競争の土俵は、大量生産のコストで勝負するものではなくもSoC(System On Chip)の世界じゃないのだろうか?
SoCの産業で大事なのは、どういう機能を半導体に入れ込むかのシステム設計であり、機能ブロックの切り分けの目利きだ。特に、アナ・デジ混在系では、どこまでをアナログにするのか、どこからデジタルにかるのかという、ブロック設計とかがとても重要になる。
こういう、システム設計って、半導体に限らず、日本の企業は、本当に苦手だ。いま、半導体の設計は、ある程度まではもうソフトウェア産業かよという感じで、コンピュータの上で進む。でも、基本的にアナログとの境界域をどこにし、どういう機能分解をするかなどは、回路技術をしらないとままならない。
というわけで、半導体産業支援とかいうなら、SoCとして何をやるか、そういうアイデアを整理できるシステム設計者をどう確保するかなどが優先度の高い課題ではないだろうか?
さらにいえば、製造工程もモジュール化してるので、サプライチェーンの柔軟さが鍵だろう。