東工大のMOTにいる方から、以前に僕が起業した通信事業会社の起業経緯などについてインタビューを受けた。 この会社は、東工大のO先生考案のインターネットに移動透過性を与え、かつ認証やセキュリティも備えたプロトコルをもとに、ユビキタス社会を実現する事業者を目指したのだが、残念なことに諸々の問題から事業としては短命に終わってしまった。 まぁ、大学発ベンチャーの研究の一環のようなのだが、この会社の場合大学発ベンチャーにあたるのかどうかは、ちょっと微妙ではあるが、産学連携による起業という意味では、大学発ベンチャーなのだろう。 以前に、別な大学とTLOをやったことがあるが、こちらはよく言われる大学発ベンチャの典型的なスキームだった。 残念ながら、こちらのTLOは、その研究内容も成果展開も、まったくといっていいほど満足のいかない結果となってしまった。
大学の独法化などにより、いたづらに大学に企業化などを求める流れがあるが、僕は否定的だ。 そもそも、大学と企業は、社会における各々のミッションが異なるのだ。 大学の教授や研究者に起業しろという話と、大学の教授や研究者と起業するというのでは、意味がまったく異なる。 これらを混同して、大学の教授や研究者自らに起業、経営をさせようというのは、本来の各々の良さを失い失敗するのでないだろうか。 工学系の大学発のアイデアと経済学やビジネススクールの先生の経営理論と、金融理論などを組み合わせたベンチャーみたいなものが出てきても面白いと思うのだが、そういうケースはないようだ。