ブロードバンド未対応地域解消のために、アクセス系に無線を利用するというのは、既にここ10年来取り組んできた仕事だ。 従来は、地域公共ネットワークのような域内イントラの構築を推進してきた。 これに対して、一般の加入者を対象とした加入者系アクセスでの導入事例は、とても少ない。 全国150町村、10,000局近くの2.4GHz無線LAN設置に関わったが、加入者系として、事業持続性があり、いまも加入者数が増加している、競争力のある事業展開をしている事例は、2,3箇所しかない。 これらは、Wi−Fiベースなので、加入者系はそれなりに安価なのだが、これが実態だ。 ここにきて、Wi−Maxやメッシュネットワークがブームなのだが、これらがWi−Fiベースのものと比較して、競争力があるかというと、いささか疑問だ。 なぜならば、価格競争力や、速度が圧倒的に差があるわけではないからだ。 単純に、無線=Poin to Multipoint、低価格という幻想は、忘れて、どこに使うのがよいか、他の伝送路との組み合わせも含めて、システムで検討すべき時代だろう。 日本の場合には、ルーラルといっても、一様に住宅が疎に点在しているのではなく、川沿いなどに20軒とか50軒纏まって集落を形成している。 そして、集落自体の大きさは、高々2km程度の線路長で足りる範囲ないにあるが、そこまでの高速回線を施設するには、中心市街地から相当な距離の線路敷設が必要となるケースがある。 このようなケースでは、集落と中心市街地の間を、広帯域のFWAでユニキャストに接続し、集落内をマルチモードファィバーなどで、スター配線し、一箇所に集線してFWAと接続するよなトポロジーも有効ではないだろうか。 光=高価、無線=廉価という固定観念を捨てて、いろいろな仕組みのF/Sをしてみる価値があると思われる。 さらには、このトポロジーだと、集線点にマルチキャストルーターを設置すれば、FWA区間は、マルチキャストで帯域を節約することもできるので、IPによるTV再送信も可能となる。