某大学院のMBAの公開授業で、知識経営論の概論を聴講した。 いわゆる狭義のナレッジマネージメントの話ではなく、知識経済全体の話と、知識創造などに関する話で、とても参考になった。 初めに、物質経済から知識経済へと変わってきた事を、実際にいくつかの引用をもって解説された。 たとえば、経済成長に対する無形資産の比率が増える一方で、資材購入、設備投資が鈍化したのに、経済成長は持続していることは、それだけ知識経済が成長しているということだと解説された。 また、知識創造では、SEICモデルというモデルに基づいて、知識資産が暗黙知と形式知との間をスパイラル的に変化していくなどの解説があった。 工学系の僕からみると、こういう知識経済の成長においては、知識の流通コストが圧倒的に下がったことが、とても大きな要因ではないかと感じる。 知識=情報ではないけれど、情報の流通コストが下がり、情報の入手コストが下がった結果、知識がいろいろなところに表出し、さらなる派生的な知識を創出しているのではないだろうか。 逆を言えば、知識経営の考えを実践していくには、経営資源における知識の流通コストをいかに低減するかが鍵のように思えた。 知識の流れない、溢れない、組織や経営体は、かなり危機感を持たないといけない。