ITS特別研究会で、パネルディスカッションを行う。 今回は、メディァフリー環境がキーワードで、通信デバイスやメディアに依存しないシステムでITSは実現しうるのかと言う話。 まぁ、いつもの持論で、モジュール化しアプリと物理層の分離をすることが、成長の鍵だというスタンスで話をさせてもらった。 もっとも、技術的には十分に可能であっても、ビジネスとしての普及には、まったく別のインセンティブが必要だし、制度的な制約もあるという指摘もさせていただいた。
それにしても、もう何年も続いてるITSだけど、結局のところ大規模なセクターが形成されているわりには、爆発しない。 2003年頃の電子通信学会のシンポジウムでも、この点について話をしたことがある。 ITSというと、一般の自動車がユビキタス的にネットワークに接続される事が、いちばんシンボリックなシーンとして期待される、しかし、インフラを提供する側と端末(車)を提供する側の間に、Wi-Winなモデルが見いだせない現状では、いつまでたってもブレイクスルーはしないだろう。 車を作り売る人は、自社の車だけに差別化したサービスが欲しいけど、インフラを提供する側は、あまねくひろく多くの会社の車に接続してほしいわけだが、自動車メーカーはインフラ提供側が携帯電話と通信キャリアのように囲い込みできるものではないからだ。 こういう混沌としたITSは、はたしていつまで続くのだろうか。