地上波デジタル放送のガードバンドを使うTV White Spaceの話が、IEEEでは多くの感心を集めている。 前回のInterimまでは、比較的各々のWGの中でのリサーチだったが、今回のPlenaryでは、Tutorial Sessionを含めて、かなり横断的なセッションがはじまった。
このなかで、その利用目的というかターゲットが、アメリカとカナダでは、ずいぶん違う。 アメリカは、比較的Wi-Fi的なモバイルデバイスなどに注目しているが、カナダはルーラルエリアへのバックボーン的な利用を想定していたりする。
いづれも、TV受信機への与干渉に対して、データベースをつくって厳密に制御しようという流れで、これははFCCの示しているものだ。 Unknownな数のデバイスが使われ、かつ被干渉となるTV受信機との相対的な位置関係もUnknownなので、スペクトラムマスクとかでの規制では、干渉回避ができないという理屈らしい。
しかし、これはおかしな話だ。 そもそも、TVバンドの両脇は、TV以外の無線システムが電波利用をしており、そこに対してはスペクトラムマスクでの規制で共存できているのだ。 In Band といえども、基本は一緒だし、隣接バンドに対する漏洩電波の規定をVCCIなどの規定以下にする必要は当然ないのだが、まぁ大きな電力を使いたいためが故に、こういうめんどくさい話になっているのだろう。
有線ネットワークが密に張り巡らされている現状で、高速、広帯域の通信が求められるのであれば、電波利用はどんどん小セル化していくのが流れだと思うので、White Spaceと言えども、大電力、ラージセルじゃない利用を検討すればいいのにと思ってしまう。
アナログTVの跡地利用さえまとまりきらない、日本では、まだこの議論にはいかないだろうが、来年あたりはこういう議論が日本でも始るだろう。