今年度の研究で、WiMAXをエントランス回線に使い、小規模な集落の中をFTTHで接続をするというシステムの検討をしている。 この実証実験で、マルチキャストをつかって、ビデオのライブ信号をWiMAX上を通して、集落側にあるマルチキャストルータに送り、その先にある各家庭に配信するという実験を行った。 あたりまえのことだけど、予定どおりにチャンネルの数xチャンネルあたりの帯域だけに消費帯域がアグリゲートされるので、1Mエンコードの画像四本くらいを配信しても問題はない。
今回は、技適のとれているP to MPなWiMAXのシステムを使ったのだが、免許制度の関係でコンダクティブな環境だけでの実験となっている。 しかも、今回利用した機器は、試作品なので、残念ながら挙動も不安定な部分が有る。 地域WiMAXでは、モデル3としてP to Pで、両端に高利得アンテナをつけるというモデルの技術基準も制定されているが、このような用途の機器が市場に無い。 地方のラストマイルについても、地域WiMAXで、FWA的に安心して使える機器がないのが現状だ。 結局は、地域WIMAXも16eに限定されてしまったことが、痛いのかもしれない。 欧米では、16dが量産され、実際に数多く導入されているのだが、日本だけが夢のような魔法の技術を待ち続けて、電波の死蔵が進むのかとおもうと、やはり後悔の念が残る。