継続研究のひとつである「有線と無線の組合せによる二つのデジタルディバイド解消システムの提案」の実証試験場所の確認のために、北上を訪問する。 実証試験では、地元の北上CATV局の方に協力をいただくので、その候補となる地域を見て回った。 新幹線の駅から車で15分も走らないくらいの箇所が、既に地デジ難視聴、ブロードバンド未解消地域になっているのには、あらためて驚かされた。 中心市街地は、当然NTTがサービスをしているのだけど、不採算エリアは、まったく予定無しとのこと。 また、TVについても、隣接の各世帯でアナログの共聴をしているけれど、これも県内波だけな上に、画質も反射波を受信しているので、あまり良くない。 ここのCATVは、市が29%程度出資している第三セクタなのだが、市の税金は資本金以外には入っていない。 そして、市が市内全域にインフラ整備をしているわけではないので、CATVも不採算エリアに対しては、自主展開を躊躇している。 近くの集落では、全戸加入したとしても、再三ラインに満たないということで、この集落の人達が、他の地域の人達を紹介して、総和で一定の加入者数を得ることを条件として、サービスエリアの展開をしたそうだ。 結局は、こういう地元の企業や住民が相応に努力しないかぎり、ブロードバンドの世帯カバー率96%という現状においても、実態は厳しいところが多々有るわけだ。 地デジ完全移行にしても、あきらかに地域の対応で格差が生じていることの一例を垣間見た。