朝からDayton Hamventionの会場を一通り見て回る。 記憶が定かではないが最後に来たのは2000年くらいだと思うので、9年振りくらいになるが、その衰退が顕著なのは驚いた。 Hamventionとはいえ、米国の市場はそれなりにあり、かつRF関係の企業(プロ)も多く参加していたりするので、馬鹿に出来ないどころか、挑戦的なものをいち早く見定める価値もあったのだが、全体の凋落ぶりは、なんとも言いがたい。 この背景には、基本的にインターネットの普及により、アマチュアという市場が縮小したことと、企業展示とはべつに大きな意味をもっていたスワップマートが、イーベイなどに完全に移行したことが大きいのだろう。 日本人の姿もとても少ないし、往年のコレクターアイテムも激減していた。
とはいえ、まぁ技術的なネタが皆無というわけではなく、やはり底の深さを垣間見る。 ソフトウェア無線関係は実にいろいろな分野で取り入れられていて、モジュール化されたマルチバス型の装置などは、なかなか面白いアイデアだ。 また、インターネットとの統合は、まだHost to Radioという発想にとどまっている感じもするが、中にはグリッド的にインターネットを介して、複数のRadioをコントロールするような取り組みもある。
数十年前に、知り合いの会社が、PLLを使ったフルシンセな無線機を開発し大ヒットとなったが、あの時もPLLをいち早く導入したきっかけは、Daytonだったそうで、こういうアマチュア、プロを問わず、高周波関係の市場がそこそこに大きいのがアメリカで、それを支えているのは軍需ということからすると、衰退したはいえ、あと何年かは存在価値があるだろう。