長野県の諏訪/茅野地域で、知り合いの会社がホワイトスベースの予備免許を得て、あらたな事業展開をするというので、その相談に来られた。 周波数は、581MHzで送信電力は30mW。 アンテナを何にするのか判らないけど、最大のEIRPで130mWだそうだから、これでエリアワンセグをワンセグ携帯に対して放送するのであれば、数百メートルくらいの範囲でのサービスだろう。
彼らは、このホワイトスペースをコアにして、観光サービスや地域広告、他地域との連携等々の事業を展開するベンチャー企業を立ち上げたのだが、ビジネスモデルが僕にはまだ見えない。
エリアワンセグがホワイトスペースの利用の仕方として適切なのか、またビジネス展開が成り立つのかは、以前にもいくつかのエントリーで書いてるので、今日は触れないが、話を聞いてるといくつかの事がわかる。
まず、免許、許認可がされる電波というのは、内容に関係なく、それだけで、不思議な御威光的価値がある。 どこぞの通信事業者が、プラチナバンド取得をしたその事自体を企業アピールにしているけれど、まさにあれと同じだ。 しかも、これが地方の行政出先に許認可されるレベルだと、もう水戸黄門の印籠のような効果が有って、地方新聞もニュースにするし、地域のJCやら県や市の関係者からは、なにやら凄いものが来たぞ感で受け止められる。 こういうのは、東京で電波有効利用が云々とか、電波行政や制度設計が云々と言ってる話しを超越していてるのだ。 しかも、事と次第によっては、何らかの関連する助成事業などもついてくる。 従って、これは地域で起業するベンチャーには、かなり波及的価値を与える。
もう一つは、少なくともこの地域では、この周波数と電力で、おなじスペクトラムマスクを使えば、既存の地上波と干渉しないで利用できる可能性を監督官庁事が認めた訳だ。 この事は、今はエリアワンセグという、専用アプリ、専用端末だとしても、将来はより標準化された方式の汎用的なデーター通信にして、動画配信をするなどの可能性を示しているとも言えるのだ。
僕は、いろいろと地域情報化に関する仕事を長年して来ているし、今も半分田舎に済んでいるので、地域には地域の価値観とニーズ、地域経済があって、それは東京で議論されものとは異なる事は知っている。 だから、東京の価値観で、こういう取り組みが良いか悪いかを一時的に判断するのではなく、そのメリットは何かを冷静に考えて、次のステップや将来の良い礎になるサジェッションができればと思っている。