朝、広島から呉に移動して、呉ビューポートホテルで開催中の研究会に参加。 開催地が呉ということで、LAは海上保安大学の先生で、一つ目の基調講演は、海上保安大学長による「海上保安庁の役割と海上保安大学校における人材育成」だった。時節柄、尖閣列島などの周辺国との海上保安や海上自衛隊との関係などについても説明があった。
問題は、午後の基調講演の時に発生した。 研究会は、ホールで行なわれていて、会場ではワイヤレスマイクを使っているのだが、講演が始まってしばらくした時に、いきなり会場のスピーカーからは講演者ではなくて、他の会場での講義開始の元気な体育会系挨拶が流れ出して、その後その講義がはじまった。 流れてくる音はとてもクリアで、こちらの会場の講演者のマイクの音声は、まったく聞こえないくらいの状況になった。 完全に切り替わった感じなので、これは同じホテルの違う会場とのPAのスイッチングを誰かが間違えて操作したんだろうと思った。 ところが、あとで聞いたらなんとワイヤレスマイクの飛び込みだったそうで、急遽ワイヤレスマイクから有線マイクにすることで回避した。
さらにここで驚愕させられたのは、このワイヤレスマイク電波干渉の干渉源だ。 実はこの会場は、呉の駅の近くで、直ぐとなりに海上自衛隊 呉教育隊の施設がある。 今回の干渉源は、そのお隣さんからの干渉だったそうで、どうりで講義のスタートの挨拶が、目一杯体育会系だったわけだし、ホテルで周波数変えるとかが出来なかったのも判る。
それにしても、建物もそこそこに離れているし、どちらも屋外で利用しているわけじゃないのに、こんなに完璧というかクリアに乗っ取られたというのは、かなり凄い。 まさか、自衛隊だからって、特別出力のワイヤレスマイク使ってるわけじゃないだろう。 高周波回路での干渉なのか中間周波数とかオーディオラインへの飛び込みなのかは判らないけど、この類いの隣接干渉って、とても懐かしい。 昔、知り合いのアマチュア無線家の電波が近くを通るバスの車内放送に混入し、バスに乗っていた友人が彼の在宅を知り途中下車したという話があったのを思い出した。 ww
ところで、これは今日が初めてとは思えないので、きっと今までも、何度かこういうことがあったのではないだろうか? となると、発信元が海上自衛隊 呉教育隊ということを考えると、それってやばくない?と思ってしまう。 今回は、こちら側もマイクを使う事が目的なので、有線に切替えただけの話だけど、悪意をもったというか目的を持った人がいたら、お隣さんのワイヤレスマイクで話される内容は全部傍受できちゃうわけだ。 ワイヤレスマイクを使用する講義や会議の限定はきっとしてないだろうから、セキュリティ上、これは問題なんじゃないの? 大丈夫か日本の情報防衛は?