IEEE802.11で標準化を進めてる11ai は、既に大詰めを迎えつつある。また、これに呼応して業界団体やチップベンダーの実装の話しも進んで来ているようだ。
しかし、本当に残念な事に、こういうものをいち早く取り入れて製品化する力が、今の日本企業にはない。現状は、食物連鎖の上流であるはずのセットメーカーが、今や下流になってしまい、結局のところチップベンダーのリリースを待っている。
現状を整理すると、1)標準化の出口が見えてきた、2)チップベンダーも対応チップがロードマップに入って来た、3)どうせ製品化はリファレンスデザインベースでの開発で差別化が出来ない、なわけだ。
つまり、放っておいても標準化される技術に対応した製品は、各社横並び的に出てくるから、この技術を実装することの先行優位性は、もう日本のセットメーカーにはないだろう。
そこで、日本の産業界への成果展開という少し大局的な視点でみれば、もうセットメーカーに期待するのはやめて、一歩先のアプリケーションやサービスの創出を仕掛けたほうが良いのではないだろうか?
11aiは、高密度な環境での無線LANの利用改善を目指していて、その最たる環境は、日本にあるわけだ。実際に、11aiのUseCaseでは、Tokyo Central Stationというタイトルが付けられたりもしている。つまり、日本には、IoTで押し寄せるであろう高密度な環境が既にあるのだ。
このような状況では、プロダクトペースでしか物事を考えられない、旧態依然な日本型製造業の方には期待せず、アプリケーションベースでのショーケースの実現をしてはどうだろうかと思っていた。
そんなわけで、今日は朝からそんなショーケースへの取り組みについて、某産業界方面の方を交えた打ち合わせをさせていただいた。
夜は、元部下がEverySenseとの関係で来訪してくれたので、事務所近くの魚の美味しいお店で一献。そのあと、別な元部下らも来てくれて二次会と、久しぶりによく飲んだ。