今日は、無線LANの標準化に関わってる仲間が集まっての情報交換会。たまたま、新聞でも無線LANの周波数拡大云々が記事になっているが、まさにそんな話。
無線LANの世界的なアライアンスであるWi_Fi Allianceでの標準化に日頃から参加しているメンバーが、9社11人が集まった。このうち、海外だったり都合により直接来れないなどで、リモートから参加している人が3人。
今日のテーマは、正に周波数の規制との関係で、Wi-Fi Allianceとヨーロッパ各国の監督官庁が参加して、先月ブリュッセルで行われた会議の報告を、参加した一人が行い、質疑、意見交換をした。
全員、日頃からWi-Fi AllianceでもIEEEでも顔を合わせてるいる仲間なので、かなりリアリティのある話になった。僕らは、それぞれにフォーカスしている標準化タスクが違うので、自分が直接関与していない規格については、知らないことも多く、こういう情報交換があるととても助かる。
そして、全員が標準化会合で、投票権をもって、それなりに活動しているので、最低限の認識が一致してるのがありがたい。
実際に、WiーFi Alliance は、民間アライアンスであり、会員以外には公開できない情報もあるので、オープンな意見交換はできない分、こういうメンバーだけで集まると濃さが増す。
最近、IoTの世界では、我こそはIoTの最大の標準化推進団体で、世界を制するの我なりみたいなアライアンスが乱立している。しかし、何を勘違いしているのか、その中には特定の無線技術や、要素部品技術の優位性が、SDOとしての競争力だと思っているようなとこもある。
IoTやIoEで、ありとあらゆるものをコネクテッドとして接続しようというのであれば、物理層に近い下位層の規格に根ざしたアライアンスというのは、まったくナンセンスだ。
大事なことは、様々な方式、要素技術に対して、モジュール化とレイヤードモデルで、適応性の高いスタックモデルを提供できるかだ。また、技術標準だけでなく、マーケット創出やショウケース、レギュラトリーに対するロビーイングなどの活動が重要な鍵となる。
いま、センサーやM2Mなどで注目されている1GHz以下のデータ通信(Sub1G) では、残念ながらこういうグローバルな戦略アライアンスは少なく、下位層依存のアライアンスが目立つ。そんななかで、Wi-Fi Allianceがこの分野でどう活動するかは、とても注目されるとこだ。
今日の、リアルな意見交換は、この先の動向を考えるのに、とても有意義だった。