EverySenseで開発している環境センサーの外装を、いくつかの3Dプリンターの出力サービス屋さんで行ってみた。今週、そのうちの何点が納品されてきたので、その雑感を書いてみる。
まずは、なんといってもCADデータを渡したら、数日でモックレベルが出来てくるというスピードは、本当に素晴らしい。しかも、思ったよりも微小加工の精度がとれていて、勘合用の小さなラッチなどは、想定以上の出来だった。
問題は、やはり表面の仕上がりと色材料などだ。今回開発している製品の一部には、透明のケースがあるのだが、流石にこれは厳しい。もちろん、研磨などの二次加工でそこそこのモノにはなるらしいが、二次加工なしだと透明度は低すぎる。最新のものでは、光学レンズクラスが出来るとこもあるようだが、その場合には大きさがかなり小さいものに限られる。透明以外のカラーも、カラー材料での加工には限界がある。結局のところ塗装による仕上げ加工が一番良いのだろう。
というわけで、昔ながらの開発工程の表現ならば、モックアップ以上、PP品以下というフェーズには、とても便利で良い。
価格的には、そこそこにかかるで、10台以上つくるなら、シリコン型による真空注型や、アルミによる簡易金型と充分に比較してみる必要が在りそうだ。
また、設計的には、3Dプリンタは、仕上がり寸法のCADデータだけで良くて、金型の場合に必要なゲート設計や抜きテーパー、ウェルド、引け対策などの検討を要しない事も大きい。この辺りの設計は、結局のところ経験値がものを言うので、ベテランエンジニアがいないスタートアップとかには難しい。
まぁなんでもそうだけど、用途に応じて、技術は使い分けるのことが肝要という、当たり前の話しではある。