今日と明日は、立て続けに二つの省で、情報流通に関する会議。会議資料を精査していると、やはり日本語のハイコンテクストであるがための、難しさを痛感する。
たとえば、今日の会議の資料のなかに、「確固としたルール」と「推奨ルール等」という言葉が出てくる。こうなると、当然ながらその違いはなんだということで、解釈の曖昧さが生じ、議論以前に整理が必要となる。
僕は、よく日本語のハイコンテクスト性の例で、「明日お会いしましょう」と「明日お逢いしましょう」の使い分けを用いる。日本語だと「会」と「逢」という漢字の使い分けにより、そこに含まれる伝達したい情報は、大きく変わるわけだ。
一方で、アルファベット24文字の組み合わせでは、残念ながら「Shall we meet tomorrow?」だけでは、そこにこの違いを含ませることはできないので、他の修飾語やセンテンスが必要となる。
というわけで、IEEEの標準化会議などでは、とにかく曖昧さを排除するためにNormative Textと言われる文章表現を徹底して使うことになる。当然ながら各種の委員会などでは、かなりの時間が、こういう言葉の厳密さに伴う議論となる。この辺りは、ちょうど共謀罪の国会審議などにも見て取れるように、法政議論では当たり前に注力される。もっとも、法律には柔軟な解釈を許すような文言も意図的に含まれ場合もあるようだ。
そんななか、たとえば審議会下の作業部会などでは、寄与される資料や発表について、やはりその骨格をしっかりと確認し、意見集約と方向性を定める議論が求められるわけだが、今日はこういうことを、参加者の皆様がしっかりと受け取って議論しており、とても建設的で納得のいくものだった。