IEEE802.11の会合も、個別会議は今日で終了。 今回も、IEEE802.11aiは、私としては満足のいく一週間だった。 それにしても、今回感じたのは中国企業の勢いだ。 ここにきて、中国企業が標準化への寄与がとても目立ってきたし、今回のTGaiでも具体的な提案があり、僕らと協調すべく協議が出来た。
日中韓で比較してみると、中国勢は、個々の民間企業として戦略的に活動している。 これは、日本や韓国が大学や研究機関、民間でも研究職がメインなのに対して、比較的欧米の企業と同じでビジネスの視点で、戦略的に標準化に取り組んでいるということだ。 ようするに、国家体勢が共産主義なのに、はるかに資本主義的なのだ。
こちらでも、もと順公務員の人に、TGaiはどうですか? 勝てそうですかとか、いつが投票の勝負ですか? みたない事を聞かれたけど、こういう人って、標準化=国際競争で、勝つか負けるかという考えなので、まったく時代にあってない。 デジュール形のように、出来上がったものを持ち込んで、どっちを標準にするか的なスピード感のない、旧泰然とした感覚なのだ。
いまの時代,何かをつくって、出き上がってから、それを標準化するなんていプロセスじゃ、時代のスピードについていけない。 実務の商品開発や企画と併行して、標準化フォーラムを戦略的にリードし、気がついたら自社製品が標準とマッチしていました的な進め方が必要なのだ。 これは、設計とか品質管理でいうところの、コンカレントデザインと同じで、初期の段階から必要なステークスホルダーと協調することで、トータルの開発時間を短縮するとともに、高品質な製品やサービスが提供できるわけだ。
ステークスホルダーが多様化し、複雑な時代に、国際競争=勝負というスタイルが表立って出る人は、残念ながら時代遅れだ。 もちろん、個々の民間企業同士は激しい競争をしているけれど、それを前面に出さずに、win winなエコシステムを提案し、うまく周りを巻き込んでいく国際協調こそが鍵だろう。
たまたまなのかもしれないが、中国の成長してる民間企業は、このあたりをうまく掴んでいるかもしれない。