最近、日本のメーカーの国際競争力の衰退について、いろいろとネット上の記事が増えていて、実際にシャープの鳴海との提携とかもあったりで、長年製造業に関わってきた身としては、切ない感じが否めない。
iPhoneの成功は、"技術的な革新さよりもモジュール化された技術の組み合わせによるものだ"なんて、知ったり顔で書く評論家の人もいるけれど、とてもそんな単純なもんじゃなくて、技術的カイゼン等の持続的イノベーションの成果と、それを応用することで既存のサービスの既成概念を覆す破壊的イノベーションが、うまく噛み合った結果で、ステレオタイプに論ずるものではないだろう。
ただ、もしかしたら一つ言えるのは、ヒット商品というか破壊的イノベーションの創出には、いつも開き直りとも見えるくらいの徹底した拘りがある。
初期のウォークマンが発表された当時、カセットラジオやテープレコーダーは、作れば売れる全盛期で、日本には今の中国等のようにOEM/ODM専業メーカーが沢山あって、欧米のメジャーブランドの製品を国内で大量生産していた。 そして、この頃、三つボタンと言われた録音の出来ない再生専用器なんていうのは、誰も売れると思ってなかったし、そんな商品ラインナップはなかった。 ところが、音楽を外に、いつでもどこでもという文化は、あっと言う間に、オーディオ業界を変えてしまった。 その後、カイゼンと改良で、小さな消費電力とボディでも録音も出来たり、ラジオも着いたりという持続的イノベーションがなされ、CD、MDという大きな媒体の変化を経て、iPadやiPhoneへ進んだのだ。
つまり、破壊的イノベーションの時には、いつも徹底した拘りがそこに存在するのではないだろうか? それは、市場調査とか顧客ニーズとかを超越したところにある、イノベーターの拘りに依存しているようだ。
振り返ってみて、僕ももっと無線通信と自律分散に徹底して拘って見るべきだったのかと、ふと思う事があるのだが、ついつい一つの事に拘らずに違う事をやりたがるのが難なんだろうな。 不惑の歳はとっくに過ぎてから、こんな事を思っても仕方ないか....
冬に結球が悪くて放置された白菜は、この時期になると沢山の菜の花を咲かせる。 この白菜の花は、茎の部分も柔らかくて、苦みが少ないので、春を感じる食材としては、とても嬉しい。
今日は、雨上がりで土が泥濘んでいるので、畑の枯れ草を少しだけ刈って、ついでに菜の花を切り取って来た。
去年の秋に丸太で購入したハモンセラーノもいよいよラストパートになって、切り置きしたので、これと合わせて昼食のパスタで楽しむ。 菜の花の苦みが弱いので、軽くバターと醤油で風味をつけて、塩分はハモンセラーノからの塩気で十分だった。