東京電力のスマートメーターの調達に対して、またしてもガラパゴスかという意見が噴出している。 僕も知り合いらがパブリックコメントを出すと言うので、若干のコメントを彼らに寄せた。
それにしても、問題の本質は、スマートメーター(AMI)がどうのこうのではなく、システムとしてのスマートグリッドのフレームワークが適応性をもっているかどうかだ。 しかし、散見するブログなどでは、あいかわらずスマートメーターの技術がとか、その通信技術が携帯系なのかWi-Fiか有線かなんていう小さな話が多い。
アメリカでNISTが中心に進めている標準化は、こういう個別の話以前に、きちんとフレームワークの議論をして、階層ごとに標準となりうるものを網羅して、カタログを作っている。
いま、僕が進めているIEEE802.11aiの標準化でも、アウトラインのコンセンサスをつくり、それを細部に落とすと言う議論をしている。 ちょうど、かつてのOSIの階層モデルもそうだけど、全体を階層化モジュール化して、個別の技術の選択子を増やすような仕組みを作るのは、くやしいけど欧米人は上手だ。
ここで、スマートグリッドについて言えば、当初ZigBeeアライアンスが中心にまとめたSEPも、いまやWi−FiもPLCも加わって、さらに上位層から下位層まで網羅するSEP2.0となって、このスタックの上で、殆どの技術が乗ってくる道が出来ている。
こうなると、日本発の標準を国際標準にするなんていう2段階方式を叫んでる人がまだいるけれど、日本発じゃなくて最初からSEP2.0に相乗りして、必要ならばSEP2.0を改訂するなどしていくほうが、市場的にも時間的にも優位だと思うのだが、どうもこういうフレームワークの話は、あまり聞かないのは、やはり欧米との言語の壁なんだろうか?