夕方、比較的早めの時間に、かいじ号で甲府に戻ったので、駅前に出来た甲州夢小路なる再開発された新しい観光ゾーンをのぞいてびっくり。なんと、かなりの店舗スペースが、空きでテナント募集の張り紙がされていて、あれまだオープンしてなかったの?って感じ。
先週末は、甲府で一番といって良いくらい大きな催しである信玄公祭りとかもあったのだが、これじゃ観光客のリピートを掴むなんてことは出来なかっただろうな。
こういう再開発インフラとかって、一過性じゃなくてかなり長期にわたり持続的な運営をするものなのだから、それなりに準備段階にお金をかけて、マーケティング、企画をしっかりとするべきものなんだろうに、なんか計画性の弱さを見た気かする。実態を知らないから主観的なイメージだけど、なんとなく地方にありがちな、地元企業と地域政治のアイデアと思い込みの集大成で、小難しい都会者の理屈はいらんよ的にやっちゃった感が漂っていた。
その名前のとおり、夢小路にならなきゃ良いけどね。
普段、基本的には文庫しか買わないのだけど、たまたま新宿駅の構内の本屋で、村上春樹氏の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が平積みになって沢山売っていたので、ミーハーな僕はついつい買ってしい、山梨に戻ってから一気に読了。
初期の一人称で書かれた所謂「僕本」とも、ノルウェイの森とも、海辺のカフカやねじまき鳥クロニクルや1Q84とは、随分と違って、なにか彼の新しい挑戦なのかと思ってしまった。
まぁ、作者自らが「・・・・違うものを書いてみたい・・・それがどんなものなのか書いてみないとわからなかったけど」と言っていて、確かにあきらかに違うものではある。そこには、いつもの強烈なメタファーもないし、ねずみもワタヤノボルもナカタさんもいない、敢えて言うならノルウェイの森に近いリアリティがある。とはいえ、やはり自分の中の地下室は、垣間見えたりするわけで、確かに村上ワールドな根っこは感じる。
さてさて、こういう作風にどんな書評がでてくるのか、これからちょっと楽しみだな。 やれやれ