JST科学技術振興機構の発行する「情報管理」に「オープンなデータ取引市場」実現の取り組み:データ流通推進のための取引市場の要件,課題と実装事例 という論文を寄稿させていただき、今日付で発刊=公開となった。
これは、エブリセンスが取り組んでいるデータ取引市場について、比較的掘り下げた解説記事としてまとめた。今回、JSTからの出稿依頼をいただいてから校了までの間、ご担当の方の丁寧な対応がとても印象的だった。単なるエディトリアルな校閲ではなく、読者層を意識した表現の修正など、こちらの伝えたいことを咀嚼しながら、適切な提案をいただけた。しかも、石原さとみさんの校閲ガールと違って、日本語の知識は、ベテランだから、本当に助かった。本文に謝辞の章がないので、ここで改めて感謝の気持ちを書き残しておこう。
ところで、今日の朝は国際展示場で開催されたイノベーション展の会場で、とあるマッチングミーティングからスタート。シリンコバレーと深圳で、ハードウェアスタートアップのアクセラレーションをしている有名なアクセラレータの人とのマッチング。彼は、普通に仕事として自分たちのポジションを確立してるいから、ミーティングはしたものの、お互いの紹介をして、出来る事、出来ない事を確認して、まぁなにか機会があったらね的な話で終了。
それにしても、彼と会うのに、まわりにアレンジした組織の人やコーディネートしてる会社の人が四人もいて、30分の間彼らは、ほとんど喋らない。どうやら、こちらがどういう事をしてるかさえ、事前に調べて咀嚼して、アレンジなんてことは一切していないと言っていいだろう。
要するに、いまは研究開発の資金助成だけでなく、外国のアクセラレーターとのマッチングなどもすることが流行りだから、それをやらくなくちゃ。でっ、それなりのアクセラレータ連れてきたので、とにかくスロット埋めなくては的な話しでしかない。
しかも、EMSやODMの実態なんて、まったく知らないわけで、たぶん大量生産の工場なんてみたこともなければ、ハードウェアの製造の流れやコストの仕組みなんてものも、ほとんど知らないのだろう。この日記にも何回か書いたけど、VC系にいるなんちゃって製造業知ってます的なレベルにも至っていないようだ。
例えば、最近の電子系ガジェットであれば、部品代(BoM Cost)に対して、組み立てコストの比率はとても低い。これは、調整や手づけ部品などがないのだから当たり前だ。となると、人件費の差が効いてくるのは、管理コストで、日本でものを作ると、この差でどうしても太刀打ちできないというのが、実際のとこなんだが、そういうコスト配分なんてものも知らない。しかも、国内で製品を売るなら輸送コストも考慮する必要があるので、普通に民生機器の開発をしていれば、妄信的に頭から中国でEMSがベスト解でないことは判っていてしかりだ。
というわけで、まぁ今日あった彼は面白かったけど、仲人な人達にはひたすら呆れてしまった。
世の中では、誰かと誰かを仲介するとか、間に立つということは、頻繁にあるのだけど、この仲介する人の資質って大事だなとつくづく思った。仲人が双方に対して、一定の理解があるかは、仲介の成果を大きく左右する。昔から、僕は、何も理解できないのに仲介する輩を、いっちょかみ屋として毛嫌いしてるんだが、どうもベンチャー投資ブームの時には、こういう輩が増えてくる。
JSTのスーバー校閲ガールさんと、今日のマッチングイベントの周りな人では、まさに仲人の資質が大きく異なったわけだ。
冒頭の「オープンなデータ取引市場」実現の取り組み:データ流通推進のための取引市場の要件,課題と実装事例 でも、データ取引市場の仲介者としての資質というか要件についても書いてあるが、これって実社会における仲人と一緒だわ。
昼から都内でミーティングを二つこなした後、夜は山梨でCATVの仕事をしていた時のアメリカ人の仲間が来日したので、久しぶりに当時の仲間と某市で一献。