今日は、午前中にホテルの会議室で、プレゼンとデモをを受ける。この会社は、医師と患者の会話をテキスト化し、その要約を整理して電子カルテにするというシステム。基本的に多言語対応はしていないので、日本語にするにかなり壁がある。ここの場合、マイクアレイを搭載したスピーカー・マイクも自社開発しているというのが売りらしい。しかし、こいうハードウェアも自社開発していますというアピールに、惹かれちゃう人って、最近の日本人には多いのかな。システムの中で、そのハードウェアの特殊性がどこまで重要なファンクションなのかを評価しないとダメなんだけどなぁ。しかも、こちらの場合、エコシステムがあるから、小ロットでもそれなりのモノが作れるし、それが独自に出来る理由は、ファウンダーが元xxx社にいたからなんて言い出したら、もう間違いなくどうでもいいやと思ってしまったのは、僕だけかしら。
昼に先日もテレビ番組で特集されていた旧知の方と電話会議。彼の会社は、パッケージソフトの再販で一躍有名になった会社で、最近は個人向けの自動翻訳機が大ヒット中で、テレビでも特集番組が放映されていた。僕が初めてお会いしたのは、たぶん20年くらい前の某協議会での合宿研修だったのだけど、たまたま昨年もサンノゼからの飛行機でお会いしたりした。
今回の出張は、AIホスピタルというプロジェクトなのだが、このプロジェクトでは、膨大な医療用語の共有辞書の編纂をしている。自動翻訳機は、音声をテキスト化するトランスクリプションと、言語を翻訳するトランスレーションの二つの機能があるのだが、前者では、用語をどこまで辞書としてもっているかがとても重要となる。とくに、日本語の場合には、同音異義が多いだけでなく、漢字に変換する時、文脈に適した表記文字に変換する必要がある。そういう意味で、適切な辞書というのは、とても大きな要素技術で、翻訳機と辞書の関係について、彼と電話で意見交換させてもらった。
実は、シアトルもベイエリアも、アレンジ側が同時通訳の手配をしていて、ベテランの同時通訳の方がそれぞれ同行した。彼女らは、マイクとワイヤレスイアホンのセットを用意していて、手際よく通訳をしてくれている。同時通訳の方って、日本でも圧倒的に女性なんだけど、こちらでもエキスパートとして、独立してサービスをされている女性が多いのかも。ここでも、明らかに用語を知っていることが、その質の差になる。今回は、シアトルの方も、サンフランシスコの方も、ベテランらしく専門用語にもしっかりと対応されていた。
午後は、ホテルからバスで医療機器のメーカーを訪問。こちらは、遺伝子解析を行う装置のメーカーで、血液から得た遺伝子を増幅し、分析してという一連の工程が、室内に設置できる装置のなかで、24時間で行えてしまうというもの。さすがに、細部にわたりフェイルセーフな機能が満載なのが、医療機器らしいなと感心する。従来は、一連の解析に1週間くいらかかっていたものが、24時間でできるようになるというので、リキッドバイオプシーがもっと身近になるのが期待できる。
視察終了後は、途中のシーフードレストランで早めの夕食をとてからサンノゼへ移動。今回は、サンノゼとはいえ、団体行動で予定が詰まっているので、アパートではなくてホテルに二泊。サンノゼでホテルに泊まるのは久しぶりだわ。