ぼくが初めて香港に行ったのは、1981年にCR9JAというアマチュア無線局の運用のためにマカオに行く時に帰港した時だ。まだ、啓徳空港の時代で、旅程の関係からスターフェリーで香港島に渡り、銅鑼湾にある小さなホテルに一泊した。
それ以降、最初に努めた会社が台湾、香港、中国と工場を進出した関係もあり、香港には仕事でも行く機会があった。そして、Root,Inc.の時に香港の電子部品商社が株主として資本参加してくれて、ここのスタッフとも何度も香港、中国の各地を飛び回ったし、最後は香港地下鉄のディズニーランド線にモバイルIPシステムを納入したりもした。
というわけで、なんだかんだいいながら、香港人や香港在住の人とは、長い付き合いの友人がたくさんいる。特に、歳の離れた父親のような知人は、92歳のいまもメールで連絡をもらう親愛なる友だったりする。
そして、僕自身も香港という街が好きなこともあり、香港の動静については、とても気になっている。香港人のナショナルアイデンティティに対する意識の在り方を、身近に見てきたから、いまの情勢はとても心配だ。
返還の前後も香港に行き来してたけど、あの時にはある種の祝賀ムードもあったけど、いまはまったく危機感しか感じない。あの香港という街と人達のもつ意識は、もはやメインランドとは別な、都市型国家であるのに、そのアイデンティティが日増しに壊されていくのは、亡国とか侵略という言葉を連想させる。
期限の決められていたこととはいえ、緩やかな一国2制度というのは、やはり維持して欲しいなと切に思う。
なんてことで、ここ数日香港に想いを馳せていたら、机の中に眠っていた香港ドルのことを思い出して、今日は銀行に行って両替してみた。昔は、東京銀行ぐらいしか外貨両替をしてくれなかったけど、いまはどこの銀行でもしてくれる。でも、コロナの影響で来店には事前に予約が必要だったりはする。
しかし、さすがにレートは悪いなぁ.....まるで人民元と変わらんじゃん。