昨夜投宿した建物は、昭和6年築の有形文化財の木造建築。こういう古い建築で、なかなか味わいがあるのが硝子だったりする。アンティークのグラスとかもそうだけど、古い時代のガラスは、微妙な歪みとか気泡とかがあって、なんともいえずそれが心に響く。ガラスというより硝子という字が、まさに似合う感じがする。
昔は、家のガラスでもみんなガラス屋さんが一枚一枚採寸して、裁断してたのだけど、アルミサッシのような工業製品になって、ガラス屋さんというのもめっきり減ったんだろう。学生時代のスキー仲間で、下町の硝子屋の子がいたけど、たしかあそこの実家ももう商売はやめてしまったらしいとふと思ったりする。
硝子って書くと、♪いじわるなあなたは、いつでも坂の上から......きらきら光る硝子坂♫を思い出す世代は、間違いなく年寄りだな。