マレーシアのお客様で、大学の教授二名が来社し、IPv6に関する意見交換のためのミーティングを持った。 日本側は、いろいろと一緒に研究や通信行政関係の仕事をしているW大のG先生、政府系研究機関のHさん、T大のO先生らと、同僚の研究者2名が参加した。 彼らの興味はとてもシンプルで、全面的にIPv6に切り替えるべきなのかどうか、IPv6での日本での利用状況はどうなのかなどだ。 IPv4のアドレス枯渇が懸念され、IPv6が提唱され、どれくらいの時間が経過しただろうか? 日本でもIPv6というキーワードが研究開発の重要な要素となり、過去数年にわたり多くの研究投資がなされている。 このような中、ピュアなIPv6というものが、なにを社会にもたらし、なにを解決してくれるのだろうかという疑問に対する明確な答えは、未だ見出せない。
NGNなどで叫ばれるように、オールIP化された世界で、携帯端末から家庭のTVまでを、一意なアドレス空間で構築するには、確かにIPv6かもしれない。 しかしながら、IPv6の利点が単純にアドレス空間の広さだけだとするならば、IPv6を待たずとも、さまざまな方法(NATやダイナミックDNS)で、プライベートアドレスの不自由さを解消したり、SkypeのようなPtoP技術も生まれてきている状況においては、訴求力が弱いのかもしれない。
IPv6でしか出来ないものは何?という命題は、まだしばらく解を見出せないかもしれない。