四月まで手伝っていた山梨県上野原市の情報通信基盤事業は、事業の中止を唱えていた市長が、現状の認識に誤りがあり、地デジ移行にむけた二重助成などは得られない事を議会で表明し、陳謝したそうだ。
これに対して、当然のようにその決断の遅さ、いままでの執政の誤りや、これを推進した議員や市民の会に対する責任を問う意見が噴出してきているようだ。 しかし、地上デジタルへの移行まで一年しかない今、なすべきことは、旧来のしがらみによる避難合戦ではなく、まずは整備漏れした市民や共聴組合に対して、具体的にどう対処するかだ。 主義主張や責任追及も重要だけど、そちらには期限はなく、アナログ停波には明確な期限があるのだから、優先順位を間違えてはいけない。
今回、市議や市長という政治が、情報通信事業を政争の具にして、結果として市民が不利益を被ったことは、本当に悲しいかぎりだが、いまこそ政争を休戦し、市民の利益を優先した対応をすべきである。
また、わたしが注目したいのは、専門家として市長の専門委員会に名を連ねた学識者、有識者の方々は、この件をどう捉えているのかだ。 これは、市議や市長が今後どうするかという事とは別で、純粋に有識者、学識者という個々人がどう自己総括するかという意味だ。 「あの委員会は、引き受けたけど一回しか会合はなかったし、自分は言える範囲の事しかしていませんしね」みたいな対応だったら情けない。
こういうときに、社会に対する識者としての責任対応をどうするのかは、ウオッチしてみたい。 この方針をみて、いち早く自分の見解を表明する委員は、はたしているのだろうか?