昨日読了したリンカーンのなかで、終戦後に叛乱軍の指導者らを処罰するかについて、出来るなら知らぬ間に国外に逃亡してくれれば辛い処罰をしなくて済むという慈悲深い考えを、彼が部下に伝える時に引用された以下の逸話が書かれていた。
1人の男がある時絶対禁酒を誓った。友人を訪問しているときに一杯の酒をご馳走すると言われたが、禁酒しているからと断った。友人からそれではと、レモネードを勧められると男は受けた。レモネードを作りながら友人がブランデー瓶を指して、レモネードにブランデーを数滴垂らすといっそう口当たりがよくなると告げると、客は、もし自分の知らないところで垂らしてくれたら辞退しないと言った。
南北戦争は、善悪の戦いではなくて、相互に信ずる大義があっての戦いなので、こういう考えは賛同できる。でも、これが大義の戦いではなくて、善意と悪意の話だったとすると、こういう発想は、他人に対する慈悲ではなくて、自分がなすべき事に伴う多少の苦痛から逃避する事にしかならないかもしれない。
それでも、最近芸能界で話題になった、帰宅して妻の浮気相手と鉢合わせしたケースじゃないけど、知らなかったら良かったのにということは、結構身の回りで起きる。 今日の昼間は、そんなことに振り回された1日だった。
夜は、いつもLAで食事に付き合ってもらっている、取引先の社長の娘さんが帰国していて、ひょんな事からつながった彼女の同窓生と3人で会食。不思議な縁で広がった楽しいディナーだった。