年度や年の変わり目では、いろいろなところでそれなりの人の訓話を聞く事が多い。クローズドなコミュニティの場合、講演会など広く社会の中で活動している経験等が少ないから、決して訓話がお上手とは言えないケースが多々有る。
最近は、TED Conferenceじゃないけど、著名な人のけプレゼンテーションをネットで見る/聞くこともできるし、Mookなんかもかなり注目されている。
でっ、こういうのと社内の訓話は違うよねという人がいるけれど、2人の会話だって、数百人、数千人への訓話だって、聴衆と時間や空間を共有して、メッセージを伝えることには変わりはない。
つまり、組織や職権の上の人からの訓話であれ、担当者から上司やお客様へのプレゼンであれ、自らのメッセージを伝えるために貴重な誰かの時間を消費するわけだ。
だから、僕たちがするスピーチは、聴衆の時間の消費に見合った何かを生み出したり、メッセージがちゃんと伝わるかが重要だ。そしてその正否は、話しをする人がどれだけ、メッセージを伝えるんだぞ!! っていう事を意識しているかに関わってくる。
講演とかじゃなくて、職場内の訓話とかになると、どうもこのあたりの意識が弱くなるのか、明らかに事前に声を出して練習するどころか、骨子の組み立てもしていないでしょっていうのが多い。
社内とか職場とかのクローズなコミュニティで、そのトップが訓話をする場合、聴衆はコミュニティの中の事は共通の情報として知っているわけだ。となると、聴衆が惹かれたり、疑問に思う事は、共通でない外の世界の話になる。
つまり、「おお、そういう世界もあるのか!」とか「こんな事言ってるけど、僕の知ってる世間ではこうなのにな?…」とかいう反応が、聴衆の中で生まれるわけだ。
この時、そのスピーチが聴衆を導くためのものだとしたら、大事なのは、「おお、そういう世界もあるのか!」であり、「こんな事言ってるけど、僕の知ってる世間ではこうなのにな?…」は、少ない方が良い。
そこで、この新しい知識や発見、あるいは動機つけを与えるには、やはりメッセージを明確かつ簡単に表すキーワードとショートセンテンス、そしてそれを裏付けるちょっとした具体的な事例や数字がうまく盛り込まれるかが重要になる。
というわけで、僕の場合は、人前で何かを話す時には、こういうことを脳内シミュレーションで整理して、時にホテルや自宅で声を出して練習しはじめると、結構寝不足になったり、夢にでてきたりしちゃう。
結局のところ、誰かをencourageしたかったら、それに見合った準備と労を惜しんでは行けないということなんだよね。