今日の夕方は、EverySense,Incに対して、学術研究者の先生達に広くご意見をいただくアドバイザリーコミッティをリモートで初めて開催。
初回で短時間なので、EverySense,Incの目指してることを説明したあと、サクッとしたコメントをいただく。この中で、国際間をまたぐ情報の流通における各国の法規制を精緻することの重要性を指摘された。
貿易管理令による輸出入管理は、当然ながら役務も対象となるわけで、とある国に置かれたサーバーに情報が入ってくる、またはそこから出て行くことは、まさに輸出入なわけだ。
従って、各国の法令のもとに管理され、場合よっては禁輸の措置がとられるなんていうリクスは皆無ではない。また、輸出入管理は、各々の国の主権によるのだから、世界で共通ではなく、既に国による違いはかなりあるようだ。
個人情報をどう扱うかは勿論、例えば軍事転用可能な情報の取り扱いなども注意する必要があることは、容易に想像出来る範囲だ。
僕がちょうど某大手メーカーの関連会社に勤務していた30年くらい前に、おなじグループ会社がココム違反の重大事故をおこし、経営陣の引責交代にまで広がったことがある。この時にとられた対策で、僕ら現場では、製品はもちろん、リペア用の化粧箱にいたるまで、輸出管理規定に照らして、どういう対処すべきものか、取り扱いの責任の有無等を明記した文言が書かれたシールを張りまくったことがある。
当時、なにより仕事が進めづらかったのは、顧客に対して違法行為をしないという宣言書を貰うというものだった。営業でモノを買ってくださいとお願いするのに、まずは貴社は法令を遵守しますという誓約書を出してねと頼まなくてはならないという、なんとも自己保身優先なワークフローが運用されたのにはビックリした。
インターネットの時代に、世の中に法令が追いついていないことは多々あるけど、だからといって今のルールを無視して良い訳ではない。本当の意味で新しい事業に取り組む時は、常にこういう制度や慣習の壁があるのは当然で、ぎゃくにそれは事業やアイデアの新規性の証明でもある。
これまでも、僕が取り組んだ事業では、無線LANの法令改訂や電気通信事業法の改訂など、そういう既存規制の改訂や調整があったけど、またしても今回もそういう部分があるのか、ちょっと真剣に考えてみる必要がある。
というわけで、こういう視点に気づかせてくれるアドバイザリーコミッティの存在は、じつにありがたい限りだ。