参加しているWi-Fi AllianceのRegulatory Task Groupでは、アメリカのDoT(Department of Transportation)が発表した5GHz帯での自動車系の車・車間通信の義務化に対する寄与文書を採択した。
この文書では、まずDoTの電波利用について賛成である事を明確に示している。無線LAN的には、車・車間通信とかがはじまったら、無線LANが使いにくくなるから反対じゃないの?と思う人が多いと思うし、僕も一瞬びっくりした。
しかし、早い話しが、彼らがサポートするのは、共用という部分で、車・車間通信が共用方式を前提に提案されていることを捉えて、サポートを打ち出しているのが背景のようだ。
要するに、こりゃもう誉め殺し戦略って感じだ。
ところで、こういう文書は所謂Nomative Textで書かれるのだけど、自ずと使われる単語も、文法もある意味独特だ。日本で言えば、正しい文語で記述されているわけだ。ネイティブじゃない人が起草したり寄与したりする文章は、彼らから見たら口語、文語が混ざっていて、きっと小学生かよお前はとツッコミたくなるわけで、標準化での文章に対するコメントは、ある意味では正しい文章の書き方教室=添削大会だったりする。
話しはもどるけど、ちょうど昨日日本からのニュースで、ケーブルテレビ連盟がMVNOを使って、携帯サービスに参入するというのが流れて来た。こうなると、いよいよ地域Wi-MAXを維持することのメリットは、無くなってくるんじゃないだろうか?
決めちゃった事だからとか、周波数は既得権益だとか勘違いして、いつまでも利用率が上がらない地域Wi-MAXに固執するのではなく、今こそ連盟が意見をとりまとめて、免許返上をするくらいの事をすればいい。その上で、移転費用とかMVNOでの最恵国待遇とかを得れば良いのに、そこまでの戦略性は相変わらず見えてこない。
日本の700MHz帯域にも、自動車業界が獲得した周波数があり、そこを車・車間通信にするといって、自動車メーカーが盛んにアピールしてるけど、これも利己的な話しだ。
いまでも、成田空港の滑走路のど真ん中に反対派の土地がある光景に違和感を覚える人は多いと思うけど、地域Wi-MAX とか700MHzの自動車用の割当は、見栄とプライドだけでずっと残っているこの飛び地みたいなものだ。