参加しているIEEE802 Interimでは、某社がIEEEーSA( Standard Association)が改定したIPRを承諾できないということで、LoA(Letter of Assurance) の提出を拒んでいる。
IEEEでの標準化は、個人資格による参加であり、オープンである。そこで、標準化作成において寄与する技術などの内容が、自らの知財権利の主張範囲である場合、LoAを提出することになっている。しかし、このLoAの提出は会合に参加する条件ではなく、参加後に該当する場合には、速やかに提出することになっている。このため、標準化が進んでからでも、LoAの提出を拒むことは、ルール上は起こりうる。
一方、同じ無線LANの標準化でも、互換性プログラムを策定している民間アライアンスの場合、定められたIPRに賛同できない場合は、会議室から退出するように、会議の冒頭で議長が宣言する。つまり、会議に参加している事は、そのままIPRを許諾していることになる。
いままで、あまりこの辺りの違いを意識していなかったのだが、今回の事案で、その重要さを再認識させられた。
また、IEEE802は、標準策定のためのWGであり、WGでは知財の取り扱いに関する事項を協議する事は、ルール上禁止されている。従って、今回の事案では、こんな事が起こっていますという報告はあっても、じゃどうしようかというのは、PatCom(Patent Committee) の管掌なので、何も出来ないという焦燥感が漂っている。