昨日打ち合わせした、シリンコバレーのデザイナーチームは、ここ数年話題になっている製品を、いくつも手がけている。僕は、パートナーの紹介で知り合って、彼らにら製品デザインの依頼をしたのだが、今回はまたいくつかの仕事を依頼する。
会社の大・小を問わず、ソフト、ハード、意匠を問わず、すべての業務を内製できることはないので、僕らはその道に強いパートナーに仕事をお願いすることが多い。
ここで、その道のスキルのある相手(会社であったり個人であったり)は、得てしてその道のプロとして仕事に一過言ある。逆にそうじゃないところは、仕事のスキルがない。だから、一筋縄でなんでも言ったことしてくれるわけじゃなくて、相互に納得する手法が成立して、はじめて仕事が進む。 こういう関係は、依頼する方と依頼される方が、互いに自分の不足する、または分担しない領域を尊重するから成り立つ。
ところが、中には職人気質が強すぎて、レスポンスにムラがあって、気に入らない相手には、なかなか応えなかったり、頭ごなしに馬鹿にした態度をとったりする人がいたりする。さすがに、30年以上にいろいろな会社と付き合いをしてきたが、どうもそういう気質が強い会社は、数年毎にクライアントが離れていく傾向がある。実際に、いままでも何社かそういう会社を見てきた。
これに対して、今回のデザイナーチームもそうだけど、職人気質はあるし、一過言あるものの、そういう拗ねた対応をしない会社というのは、成長しながら顧客の範囲も仕事の範囲も拡大していく。
そして、こうい会社を見ていて思うのは、ひとつひとつの依頼の区切りのつけ方が綺麗だ。新しい仕事では、もちろん完全な仕様書があって、完全な検査仕様があってというのは、良いことではないけど、なかなかに難しい。
そんな難しいなかでも、区切りのつけ方のうまい会社の特徴は、日々かわる納期に対し、一定の目論見をしめして、それをクリアする。これと、これと、これまでを一旦区切りにして、いつまでにやりましょうとなると、しっかりとそれを守る。もちろん、いろいろと困難なことが起きるのだけど、そういう時も、どうなったと聞かれるまえに、こうしたいけど良いかと来る。
サンノゼのデザイナーチームは、まさにこれで、こちらが構想を語ったものから、筋道をつけて、提案をして、それに対する目論見を合意したら、しっかりとトレースする。だから、こちらが宿題をしていないと、逆に煽られる。
大昔にある無線系の仕事で、結構業界で有名な技術屋さんに仕事を依頼したことがあった。ここの場合には、日程や機能の不具合に何かを言うと、悪戯に依頼主の落ち度をついたり、開きなおってそれは想定していないとかになて、結局は費用と時間がけが嵩んだことがある。そこそこに、有名ではあったけど、結局は彼のところは、仕事を依頼する人が限られて、その後自営的な経営が成り立たなくなった。
というわけで、今回のサンノゼのデザインチームは、本当に良いチームと巡り合ったなとつくづく感じながら、帰国の便でほくそ笑んでいる。