昨日、定期健診の結果を少しこの日記に書いたけど、ちょうど全がん協生存率調査が更新された。これは症例からの統計数字なので、そのまま自分に当てはまるものではないけど、患者にとってはとても気になる数字だ。
僕の例でいえば、部位別臨床病期別5年生存率によると、前立腺癌T4なので、T1〜3が相対生存率100%に対して、65.9%とかなり低いので、正直ちょっと悲しい。しかし、実際にはおなじ病期(T)でも、TNM分類のNMで示される周辺リンパ節への広がりや遠隔転移の有無によっても、多分に違うだろうことは素人ながらも想像できる。 また、当然ながら治療方法や他の病歴なども影響するだろう。
いずれにしても、こういうデータは、それなりに重要だし、患者にとっては一つの心理的判断基準ではある。ただし、こういう数字は、一人一人の患者に、その意味や自身への適応性などを含めて、丁寧に説明することが重要で、この数字だけが一人歩きするのはとても怖い。
だからこそ、個々人の患者に合わせたプレシジョン医療がとても重要になってくる。患者が知りたいのは「自分はどうなの?」なのだ。こうなると、リキッドバイオプシーという手段は、本当に有益だ。実際に、僕もPSAやMRIによるエビデンスは得ているけど、リキッドバイオプシーにより、転移の可能性などについて、最新の自分の状況を知ることが出来たのは、本当に精神的にもありがたい限りだ。
近い将来、この統計の数字に、TNM分類やグリソンスコア、リキッドバイオプシーの結果、その他諸々のデータを組みあわせることで、患者個人個人に合わせた精緻な予見が可能となれば、それに合わせた診療方針が立案できることになるだろう。