ケンウッドとビクタが経営統合をするそうだ。 ケンウッドは、子供の頃に春日無線からトリオに社名が変わって、チューナやアマチュア無線機器、通信機などの老舗で、とても馴染みのあるブランドだった。 当時は、輸出はケンウッド、国内はトリオ、キット製品はケンクラフトというブランドを使い分けていた。 通信機器メーカーも、ラジオメーカーも、民生家電の円高不況や海外へのシフトなどの荒波で、随分と様変わりしてしまった。 一方のビクタはというと、VHSで大成功したけど、なんといってもHis Master's Voiceの銘の入った、犬のラーベルを冠した、音響業界の老舗だった。 僕も、社会人として最初に関わった開発は、ヘッドホンステレオやラジカセで、ちょうどソニーがウォークマンの二世代目を出した後で、ディスクリート部品と、メカニズムというレガシな構成での小型化と、マイコンを使った電子制御が盛んな時だった。 また、まだまだCDは出始めで、コンパクトカセットがシェアを持っていたけど、ヒスノイズの無いCDを聞いたときは、かなりのインパクトを受けたことを思い出す。 当時、取引していた某大手電気メーカーは、この25年で、オーディオ−>留守番電話−>コードレス電話−>PHS−>携帯電話と、主力生産品が大きく変わり、MDやCDなどのオーディオは、完全に海外シフトしてしまった。 結局のところ、電子機器やネットワーク機器などの完成品製造業は、ポートフォーリオの拡張という拡大路線と、差別化、特化という選択集中のどちらかではなく、両方のバランスを取りながら、成長を続けなくてはならいというジレンマを常に抱えているのだろう。 いまいるネットワーク機器業界も、巨人とその他という構成で、その他のなかに沢山がひしめいて、コモディティ化の波に晒されているけれど、そろそろ業界の再編に動きも出てくるのではないだろうか。