社外取締役を勤めるCATV会社UBC:(株)上野原ブロードバンドコミュニケーションズの開局式典が催された。 ここは、市も出資する第3セクタ型の事業会社で、市が敷設した伝送路をIRUにより賃借し、CATVとインターネットアクセスのサービスを展開する。 また、これらの受益者負担サービス以外にIP告知端末を各戸に配置し行政連絡などの同報型の音声サービスを行っている。 このため、CATV、インターネットサービスへの加入有無に関わらず、原則市側の負担で全世帯に光ファイバの引き込み、成端箱、告知端末の設置までが行われる。 今回は、全三期事業計画(上野原市全域10,255世帯)のうち第一期・二期計地域である上野原市の一部(秋山地区、西原地区、巌地区、甲東地区、棡原地区、大目地区、大鶴地区、島田地区、上野原地区の一部)6,500 世帯を対象とする地域で、サービス提供を開始し、そのお披露目となった。 この事業のユニークな点は、中心市街地だけでなく中山間地域を含めて全域をカバーしたことであり、最近地域情報化とかブロードバンドゼロ解消でよく言われているラストワンホーム(最後の一軒)問題までも解消しているところだ。 しかも、一芯の光ファイバーを使い、波長多重によるTV配信とGEPONによるブロードバンドアクセスを共用し、トータルコストの低廉化を実現している利点もある。 東京から車で90分以内で移動できる場所で、豊かな自然に囲まれている山間部で、ブロードバンドもディジタル放送も楽しめるというのはとても魅力的だ。 産業面でも、高速ブロードバンド整備により、工業団地の誘致が進んだようで、情報通信の社会基盤としての重要性を再認識させられた。 今回の式典では、この地域を選挙区に持つ衆参国会議員が全員出席し、上流の県や監督官庁も出席され、産、官、民が情報通信、放送という社会基盤整備に対して、共通の課題認識で取り組んでいることが伺えた。 これからは、いよいよ利活用の促進という利用者にとって目に見える成果につなげていくこととなり、より重責を感じる。