今日は、いよいよ無線LAN高速認証(Wi-FILS)の公開実験本番。 この技術は、無線LANが基地局に接続する時に行なう、認証や鍵交換などの手続きにかかる時間を大幅に短縮するもので、歩きながらの利用などに用途を拡大するほか、駅や空港など混雑してる環境での接続できる端末数を増やすことも期待されている。 というわけで、公開実験はでは、沢山の端末が接続しようとした時にどうなるかを示すことが重要で、今日はモニターとなるバイト学生を募集して、総勢50人での実験。
午前中は、モニターに対するレクチャーを行い、午後からリハーサル。 昨日までの予備実験では、人数は少なかったけど、満足できる結果がでていたので、すっかり安心していたのだが、リハーサルになったらまったく様子が違う。 ということで、もう顔面蒼白、ガクブル状態だったのだが、どうやら外部からの大きな電波干渉があったようで、チャンネルを変えて回復。 超汗(^o^);;
三時からは、いよいよ一般および報道関係者の方々を迎えての、公開実験。 なるべく判りやすいように、モニターにゼッケンをつけてもらったり、導線の工夫をしたおかげて、それなりに効果的な公開実験ができた。
実験のあと、せっかくの機会なので、100台のAndroidタブレットをならべて、定量評価も実施。 なんでもそうだけど、同じものが沢山並ぶと、それだけでも、なんだか面白い。
IEEE802.11ai では、基地局を探すスキャン部分の高速化、効率化も検討しているけど、今回は認証、鍵交換部分だけの改善のデモ。 スキャンは、どうしても端末のバラツキがでるので、こういうふうに数を増やして、統計的に測定することで、分散や効果がはっきりと判る。
認証、鍵交換時間は、0.01秒と従来比で1/300 くらいまで短縮してるけど、スキャン部分がそのままなので、実際の端末としての効果は、まだ小さい.それでも、単純平均で、22秒と2秒というように従来比で10分の1になった。 しかも、従来方式は、バラツキが大きく、数十秒かかるものが発生したけど、FILS は、そういうバラツキが出ない。 また、電波が瞬間でも届けば、ちょっとしたコンテンツくらいサクッとダウンロード出来る点も大きな違いだ。
こういう実験は、とても単独企業や1人じゃできなくて、総務省や協議会、大学などの協力があって、はじめて成り立つ。 今回も、実に多くの関係者の協力によって、無事に事故も無く、成果も確認出来た。 本当に、関係各位に感謝しています、皆さんありがうございました。
それにしても、子供の頃のアマチュア無線の移動運用からはじまって、僕は人生のなかで、死ぬまでに何回こういう電波の実験をすることになるんだ....
夜は、今回とてもお世話になった、京都の研究仲間らと、駅近くの煮込みのお店で煮込み、そのあと京都 坊主BAR という、なんとお寺の住職さんが営む、京町家を使ったバー飲んでホテルにもどった。