参加しているDICOMO2013は、情報処理学会なので、参加者は圧倒的にソフトウェア系な研究者がメイン。そんな中で、今日の招待講演は、「ウェブ社会からファブ社会へ」田中 浩也(慶應義塾大学 環境情報学部)さん。
最近かなり話題になっているファブラボの展開や取り組み,運営の狙いなどのお話。やはりものつくりな話は楽しい。
回路設計や基盤設計、ファームや板金加工、射出成形なんかを、仕事として一通り関係できた製造業の開発世代というのは、おそらく僕らの年齢くらいが最後かもしれない。
そんなわけで、若いエンジニアや研究者は、物理量を体感する事が少ないようだ。006Pを舐めたら、どのくらいピリッとくるかとか、高周波やけどとかね。終段の調整する時に、左手はつかわないとかもある。
僕は、ずっと組込み系だったので、新卒で入社した会社の開発では、試作の為の引物なんかは、自分で実験用の旋盤で自作したりしてた。(しかも、新宿の高層ビルの高層階にある実験室で)
その後、21年前にソフトウェア開発会社(Root,Incは、ソフト屋ですから!! キリッ)をスタートアップした時に、組込み系だった関係でハードの試作とかも必要という言い訳をして、尾久の道具屋街にいって、定盤とハイトゲージ、Vブロック、バイスなんかを買ってきたり、社員の持っていたボール盤をもらったりして、そこそこに試作環境を整えた。(ケガキが正しく出来る環境が大事だぞっと)
だいたい、子供の頃からドリルとかバイスとか諸々の工作に必要な道具は個人的にも揃えていたのだが、いまは工作じゃなくて耕作の道具ばかりになってしまった。
ちょうど10年前くらいに、知人に紹介された地元の議員さんに、県立工業高校の廃校跡地の再利用について意見を求められたことがある。この時、僕は、工業技術センタ等にある各種の工作機械や試験装置を集約して、滞在型の実験、試作、開発施設を作って、広くベンチャー等に解放してはという提案をしたことがあるのだか、今日のファブラポの話は、まさにこれがダウンサジングしたもので、なんだかとても楽しい。
幸いに、山梨には場所もあるので、こういう耕作も工作もできるファブラポ、いわばファグリカルチャーみたいなのが欲しくなってしまった。