今年度からはじまった研究プロジェクトの打ち合わせとワークショップのため、朝新幹線で高崎に移動。まずは、高崎のホテルで、関係者による打ち合わせ。なぜか、僕が、最初に欧州側が策定するドキュメントのリーディングエディタになってしまったので、ちょっと焦っているけど、今日のミーティングで少し骨子が見えて来た。
午後からは、前橋経由で赤城山の麓にある電力中研の赤城試験センターに移動。まずは、センター内施設の見学で、いま話題の需要地系統の系統制御等の試験設備を見学。
その後、100万ボルトの送電設備を見学。それにしても、100万ボルトは、全てがデカイ。僕らの世代だと100万ボルトというと、伊東四朗の電線マンがニューギニアから走って来たやつか、アリスの♫君の瞳は100万ボルト♪が頭に浮かんじゃうのは、まぁお約束。
ちょうど、ネットでは太陽光買い取りの制限に関するニュースなどもあって、需要地系の話しは、なかなかにホットだ。僕は、三十年くらい前に、送電線故障点評定装置(FL)の仕事をしていたので、系統保護とかxx系統という言葉には馴染みがあるし、その後もMISで電力各社と電柱共架で関係したりもあり、電力関係には、そこそこに知り合いも多い。
だから、電力自由化や今回の買い取り制限の話題などについて、評論家やメデイアがすぐにしたり顔で「発送分離」という言葉を使っているのが不思議でしょうがない。電力業界では、基本的に発・送・配が分離単位だ。通信の自由化の例をみても判るように、一番市場競争による自由化に向いてるのは、通信のアクセス系に値する配電系だと思う。
ところが、とにかくメディにも記事にも、「発送分離」という言葉しか出てこない。これは、もしかしたら電力業界の自由化反対な人達が、うまい具合に配電分離の話しに行かないようにしてるんじゃないかと勘ぐってしまう。
通信事業でも、結局ドライカッパーは実現したけど、真のダークファィバー開放は実現しなかったし。
ときに、実際には、太陽電池や風力、コージェネなどの分散電源は、配電系統に接続されるのだが、今はこの系統のことを需要地系統というそうだ。でっ、この需要地系統では、分散電源の発電量と主たる電源系統から送電されてくる電力の総和が、需要電力ととバランスするように制御しないとならない。そこで、隣接する需要地系統間で相互に電力を融通して、バランスをとるなんていう研究がされている。そこで、この需要地系統を開放して、各配電会社が独自の閉じた需要地系統を管理すれば、この問題ももっと制御しやすくなるのではないだろうかと思うのだが、そんな話しは出てこない。
まぁ、早い話しが個別の消費者のお財布に紐づいてるとこは、結局は他人に渡したくないというのが、実際なんだろう。どこぞのイコマースが、突如出展者への支払い銀行口座を自社グループの銀行に限定してしまった暴挙なども、これと同じ発想だろう。
ワークショップは、合宿形式なんだけど、僕は夜の部は失礼して、高崎から東京にもどり、そのままのぞみ号で大阪に移動。深夜近くに淀屋橋のホテルにやっと投宿。長い一日だった。