朝食後、路線バスで倉吉駅に行き、そこから西へ向かう鉄な移動。最初のセグメントは、特急スーパーはくとで、智頭急行経由で上郡へ。途中には、萌えキャラとピンクの駅舎の恋山形なんていう駅がある。
上郡からは在来線で相生に出て、ここから山陽新幹線で東広島に。この新幹線には、プラレール車両があるそうだけど、ついおっくうになって見にいかなかった。昼食を車内でと考えていたんだけど、相生も途中の通過待ち駅も、車内販売も無い。仕方がないので、東広島でとおもったら、ここの駅前には見事に何も無い。結局は、駅の売店でおにぎりを買って、なんとか昼食。
タクシーでクライアントを訪問し、二時間の打ち合わせ。なかなか重いテーマで、打開策が浮かばない。それでも、なんとか思考整理をして、出口のイメージの糸口は少し掴めたかな...
再び東広島に戻り、山陽新幹線で新山口に行き、そこから最後のセグメントは、山口線で湯田温泉駅まで。今夜の宿は、目抜き通りの大きな旅館。湯田温泉には、山口大学との仕事などで、なんだかんだ何度も来ているのだけど、かつてはインターネット接続がある宿は、一軒だけだった。その頃は、日経コミュニケーションの記事にもなったくらい稀少だった。ところが、今やこの大きな老舗の旅館ホテルも、普通にWi-Fiが完備されているのだから、ありがたい限りだ。日本は、Wi-Fiの整備が遅れているとか抜かしている知ったかぶりの人には、こういう現状の凄さを認識すべきだろう。
その後、山口大学の知人がピックアップしてくれて、久しぶりに近況報告と情報交換。彼とは、関門海峡越えの無線LANの実験の時に知り合って、もう18年くらいになる。その後も一緒にアメリカの会議に行ったり、共同研究をいくつかしている。この春から工学部長になって、かなり多忙なのだが、こうして時間を割いて、新規案件の近況などを話しができるのは、ありがたい限りだ。
今夜は、宿の目の前の彼の行きつけの居酒屋で一献。店長さんのご好意で、ご当地の銘酒である獺祭の「試」という珍しい一本を飲ませていただいた。
これは、「二割三分」という精米度の高い高級品種の精米工程で破砕などにより規格外となった酒米を使って仕込んだものだそうだ。なので、精米度などは、限りなく高く、他の工程は一緒ということ。それでも、破砕しているということは、多分に浸水度合いなどがバラつくわけで、その出来も微妙となるらしい。というわけで、ラベルには吟醸とか大吟醸とかではなく、ただ清酒とだけ記載されている。「二割三分」も一合たのんで飲み比べてみたけど、こちらのほうが香りが強くフルーティな感じ。これは、人によっては雑に感じるのかもしれないけど、価格的には二割三分の半値くらいなので、魅力的かもしれない。それにしても、かつて「山口の山奥の小さな酒蔵」 というキャッチで、稀少な日本酒だった獺祭は、今やその事業戦略が功を奏して、トップブランドになった。需要増に応えてかなりの設備投資をしているらしいけど、こういうポートフォリオの展開も、そういう需要があってのアイデアなのかもしれない。しかし、もう「山口の山奥の大きな酒蔵」だよね。