今日の午後は、EverySenseが主催するハッカソンの最終選考発表会。アイデアソン、ワークショップからの流れで、今日は最終プレゼンと審査だった。
この東京でのハッカソンは、LDO Challengeとの共催。これと並行して、同様に大阪では、IOTグローバルアントレブレーナープロジェクトとの共催アイデアソン も行って来た。
というわけで、今日は、東京と大阪の両方から参加者の発表があり、審査の結果2つのチームが先行された。1チームへは、今後の開発支援プログラムを提供することとし、もう一つのチーム(個人)へは、シリコンバレーツアーへ招待することとなった。
今日の発表された内容は、いづれもユニークで面白いものだったけど、やはり発表を聞くと、さらにブラッシュアップするアイデアがでたり、別なものに置き換えてのアイデアがインスパイアされたりするのが面白いし、大きな意味を持つことを感じる。
僕は、技術者にとって重要な資質の一つが謙虚さだと常々思っている。つまり、常に自分の設計やアイデアに対して、十分なのかと自答すするだけでなく、周りに意見や評価を謙虚に求める事ができるかだ。
かつて、Root,Inc.では、創業時から社員の特権として、DR(Design Review)の主催を誰でもできるとしていた。もちろん、貴重な他人の時間を、自分の為に費やしてもらうのだから、主催するには、自分のプランや設計を、判りやすく整理して説明する事が必要だし、資料も必要であれば用意する事が求められる。また、技術の評価レピューということになれば、僕も立場とか役職か関係なく、言いたい事は言うし、突っ込むことは徹底して突っ込む。まぁ、そういううるさい事言われるのが嫌なのか、準備が嫌なのかしらないけど、残念ながら積極的にDRを開催する人は、とても限られていた。積極的な人の中には、アフターファイブの席で、意見を求めてくる輩もいたけど、それはそれでまた面白かった。
こういう、直接担当者やチーム内じゃない人とのレビューというのは、そればかりしていると内容が発散しちゃうので、ある程度の期間をおいて、レビューと実装実務を繰り返すと効果があるみたいだ。なので、技術に限らずにハッカソン的なアイデアレビューや外部を入れてのディスカッションというのは、自律的なプロが仕事を進める上では、意識的にスケジューリングされても良いのかなと感じた。
難しいのは、本当に何も知らない若い人は、素直に判らない事を調べたり、周辺に聞いたりするけど、そこそこに経験があるとこれが出来なくなることだ。事前に調べないのも困るけど、異なるアイデアの提案や指摘される課題に対して、「でも」「だけど」が先行して、自己の正当化にいく人は、結局のところ次へと進まないからベンチャーには向かない。今日も、ある審査員が「話ししてもいいですか?」なんて突っ込んでるシーンがあったのは、典型的かもしれない。
今日のハッカソンの審査員は、僕以外に5人で、皆同じ得点しかもっていない。もちろん審査員を選考したのは、僕らなのだけど、特に利害関係もないし、中には今回初めてお会いした人もいるから、所謂御用先生でもない。つまり、僕というか主催側の影響は1/6しかないから、審査はフラットだった。
そんな中で、今回の上位のアイデアは、僕がEverySenseで目指しているThe Internet of things を指向するものだったのが嬉しい。いま巷にあふれているIOTって、VPN of thingsでしかないので、この辺りの思想を的確に理解してくれたアイデアが、今日の審査で評価されたことは、そのまま僕らにとっても嬉しい事だ。
たまたま、今日FaceBookで知った、US FTCのIOTリポート なんかも、まさに僕らの設計ポリシーと同じ方向性を示していたので、いよいよもってアクセレートしようと強く感じた1日だった。